今回は少しハイレゾの「規定」に関する話をまとめておきます。
すでにハイレゾとはで、ハイレゾについて簡単に説明しています。
ハイレゾはHigh Resolutionの略語です。
では、High Resolutionとは何かというと、日本語では高解像度と訳される場合が多いようです。
以前は、画素数の多い映像を指す形で使われていましたが、最近は、このサイトでもまとめている
高音質な音源やそれらを再生する機材についていうことが多くなりました。
ハイレゾの定義
日本では、JEITA公告「(25JEITA‐CP第42号)ハイレゾオーディオの呼称について(周知)」で述べられている、
「ハイレゾオーディオ」(*注1)と呼称をする場合”CD スペックを超えるディジタルオーディオ“ であることが望ましい。
という考え方がその基盤になっていると考えても良いようです。
基本的な考え方は、アナログである音の情報をデジタルに変換する際の、
量子化bit数とサンプリング周波数がポイントになります。
上記でいうCDスペックとは、量子化bit数が16bit、サンプリング周波数が44.1kHzと規定されているので、
少なくともそれ以上のスペックが要求されます。
アナログの場合は音が連続的に変化していきますが、それをデジタルで記録する場合には、
ある瞬間瞬間に区切っていく必要があります。
その区切り方がサンプリング周波数です。
こちらは、1秒間にその区切りをどれだけ設けるかということで、44.1kHzとは、
1秒間を4万4千100に区切るということです。
このサンプリング周波数が高くなると、より高音が記録できると覚えておいてください。
そして、量子bit数は、その区切った瞬間の音のデータを
どれだけの細かさで記録するかということを表します。
16bitとは、65536段階で表現(記録)することを表します。
最近の、ハイレゾ音源は、サンプリング周波数96kHzや192kHz、量子化bit数24bitで
記録されているものが多いです。
この量子化bit数が大きくなると、より細かな小さな音でも記録できると
覚えておいてください。
そのため、同じ曲でもデータとして保存される情報の量は、例えば、192kHz、24bitだと
(192kHz/44.1kHz)×(24bit/16bit)≒ 6.5となり、よく
ハイレゾの音源の情報量はCDの6.5倍と言われるのはこのためです。
フォーマット
CDの音は、上の規定では、ハイレゾではないのですが、
では、CDの音が良い音ではないのかというと
決してそんなことはありません。
実は、現在我々がPCやポータブルプレーヤーで聴いている音楽は
ほとんどMP3という形式で圧縮されているものを聞いています。
昔音楽をデジタルで記録し始めたころは、メモリなどが高価でした。
今のように、何GBも湯水のように潤沢に使える環境は
考えにくかったのです。
そこで、音のデータを、圧縮して小さくしたのですが、
その際に登場したのがMP3という形式です。
このMP3という形式では、実は仕組み上圧縮した音をもとには戻せない
圧縮の仕方をしています。
ただ、この圧縮によって、かなり容量を減らすことができ、
しかも普通の人の耳では、違いがほとんど認識できないので、
音楽データはこのMP3で普及していったのです。
今でもポータブルプレーヤーのことをMP3プレーヤーと
呼ぶことがあります。
このように普段我々は圧縮された音源を聴いているのです。
そのため、CDの音質をそのままで音楽を聴くと、
実はかなり良い音なんです。
では、圧縮しない場合はどういう形式できろくしているかというと、
WAVという形式で保存しています。
ただ、WAV形式は、どうしてもファイルの容量が大きくなります。
そこで、ハイレゾ用に、圧縮の効率はやや悪くても、
音質が変化しない方法として開発されたのが
FLACという形式です。
そこで、現在、ハイレゾの音源はFLAC形式もしくはWAV形式で流通されています。
実は、もう一つDSDという形式が最近増えています。
これは、そもそもの音の記録の仕方が上記の考え方とは全く異なります。
上で書いた192kHz、24bitで記録した1秒間のデータはbitに直すと、約4.6Mbitになります。
細かい話ですが、データをやり取りする場合には、元の情報そのものに
1割から2割程度余分の受け渡すための情報が付加されます。
なので、5.6Mbit程度の情報になります。
1秒間にこれだけのbitを受け渡すには、約5.6MHzで1bitをおくれば、
上のサンプリング周波数192kHz、量子化bit数24bitで記録したデータを
受け渡すことができます。
0か1のbitデータを書き連ねたものがDSD形式だと考えてみてください。